家の具
家具は人の生活に寄り添い、彩りを与えるもの。そう、字の如く家の具である。
自分ではない誰かのためにテーブルをつくる、椅子をつくる、食器棚をつくる。そうして誰かの生活の一部を任される。家具職人とはなんて幸せな職業なんだろうと思う。このちゃぶ台、未確認飛行物体のようないで立ちであるが、まぎれもなく幸せな食卓を演出するちゃぶ台である。依頼主は新婚ほやほやのご夫婦。自分にとっても特別な存在だ。特別な人からの依頼、加えて新婚と聞くと俄然やる気が出る。
それにしても、新婚さんのために家具をつくるのは一体何度目になるだろうか。毎回同じようなプレッシャーを感じる。しかしどんな場合でも、つくるにあたってクリアしなければならない条件は様々あるが、何よりも大切にしていることは邪念を入れないこと。ものにはつくり手の念が入ってしまう。だから幸せな気持ちで制作に臨む。そうして送り出された家具が誰かの生活を少しでも彩りあるものにしてくれたら嬉しい。なんだか自分がものづくりをする根底にある理由を確認できたような気がする。
漆が乾き次第納品。あとのことはこのちゃぶ台に任せることにしよう。
しゅうさん たまみさん お幸せに。
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